GTX1650Ti 性能
GTX1650Ti 性能 /仕様と特徴
GeForce GTX1650 Tiは、GTX1650の強化版という位置付けの、モバイル向けのグラフィックボードです。
GeForceのGPUは、十の位の数字で立ち位置が分かりますが、GTX1650 tiはぎりぎりローエンドの立ち位置になります。
- 50・・・ローエンド、補助電源なしモデル
- 60・・・ミドルレンジ、TDP 150W程度
- 70・・・準ハイエンド、TDP 200W程度
- 80・・・ハイエンド、TDP 200W以上
AMDのグラボと比べた場合は、Radeon RX 580Xと同ランクの性能になります。
価格が安いのは特に大きなメリットで、Core i7-10750Hよりもワンランク落としたCore i5-10300Hと組み合わせる事で更にハイパフォーマンスを発揮します。
10万円以下の予算でゲーミングノートPCを手に入れたい場合は、選択肢の1つに入れるグラボになるでしょう。
GeForce GTX1650 vs GeForce GTX1650Ti
項目 | GTX1650 Ti | GTX1650 |
---|---|---|
CUDAコア数 | 1024基 | 1024基 |
動作クロック | 1200MHz | 1125MHz |
ブーストクロック | 1485MHz | 1560MHz |
メモリータイプ | GDDR6 | GDDR5 |
メモリーインターフェース | 128bit | 128bit |
メモリーバス幅 | 128GB/s | 192GB/s |
メモリー搭載量 | 4GB | 4GB |
TGP | 35~55W | 30~50W |
tiなしモデルの「GTX1650」と比較してみると、性能の要となるCUDAコアはGTX1650の1024基、VRAM(グラフィックメモリ)容量4GBはGTX1650から変わっていませんが、VRAMは最新のGDDR6にアップグレードされています。
アーキテクチャはRTXシリーズでも使われているTurning 12nmということで最新のものになりますが、ハードウェアリアルタイムレイトレーシングに特化しているわけではありません。
GDDR6はメモリバス帯域幅が広く、GDDR5の128GB/sから192GB/sと約1.5倍になり、VRAMへの負荷が高い重量級のゲームで高い安定性を発揮できます。
VRAMがDDR6にアップグレードされましたが、GTX1650から約10?15%の性能向上を果たしており、前世代のミドルクラスGTX1060 Mobileとほぼ同等の性能です。
フルHD向けとしては十分な性能なので、エントリー向けよりも少し上であると言えるでしょう。
VRAM容量は4GBと最低限なので、従来のゲームをメインにプレイするのにおすすめですが、最新のFPSの4Kプレイ等には厳しいです。
TDPは、GTX1650の50Wよりは多少上昇していますが、それでもモバイル向けということでかなり抑えられています。
価格は9万円台~とGTX1650よりやや高めですが、それでもGTX1660 Tiに比べるとだいぶ割安なので、コスパを重視するならGTX1650よりもGTX1650Tiを選んだ方がいいです。
GeForce GTX1650Ti vs GeForce RTX2060
項目 | GTX1650 Ti | RTX2070 |
---|---|---|
CUDAコア数 | 1024基 | 1920基 |
動作クロック | 1200MHz | 1185MHz |
ブーストクロック | 1485MHz | 1560MHz |
メモリータイプ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリーインターフェース | 128bit | 192bit |
メモリーバス幅 | 192GB/s | 336GB/s |
メモリー搭載量 | 4GB | 6GB |
TGP | 35~55W | 65~115W |
クロックには差がないように見えますが、大きな違いは「レイトレーシング」の対応可否です。
GeForce RTX2060はレイトレーシング対応ですが、GeForce GTX1650 Tiは対応しておらず、Directx12だと70%程度の差が出ます。
実際にゲームをプレイした場合、RTX2060とGTX1650 Tiの性能差は大くなりますので、予算に余裕があればRTX2060の方を選んだ方が無難な選択肢であると言えるでしょう。
GTX1650Ti 性能 /GF75 Thinで検証
GTX1650Tiの性能を測る為に、今回はエントリーモデルの中でもワンランク上のゲーミングノート「GF75 Thin」でベンチマークを測定しました。
GF75 Thinのスペック
CPU | Core i7-10750H |
---|---|
GPU | GeForce GTX1650Ti |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
液晶サイズ | 17.3インチ |
液晶種類 | FHD 120Hz 非光沢 |
質量 | 約2.2kg |
バッテリー | 約51Wh |
購入価格 | 9万円(中古) |
CPUは最新の第10世代インテルCoreプロセッサーのIntel Core i7-10750Hを搭載、メモリ容量は16GB、ストレージは512GB M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce GTX1650 Tiとなっています。
17.3インチ大画面に120Hzの液晶を備えており、17.3インチにしては軽い質量の超薄型設計が特徴です。
持ち運びもしやすいデザインなので、友人の家に持ち込んで対戦したり、eスポーツの大会での練習用にも使えます。
ベンチマークテストを行うにあたっては、Windows 10の電源プランを「バランス」に、「Dragon Center」の「User Scenario」は「Extreme Performance」に設定、空冷ファンを最大出力で回転させる「Cooler Boost」も有効にしています。
GTX1650Ti 性能 /ベンチマークテスト
3DMark Time Spy
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.11.6911.0」から、フルHD環境でのDirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果です。
グラフィックボード | スコア |
---|---|
GTX1650 | 3241 |
GTX1650Ti | 3793 |
GTX1660Ti | 5626 |
RTX2060 | 5639 |
スコアについては高くはないですが、エントリー向けGPUを搭載していることを考えれば妥当な結果であると言えます。
少なくとも、前世代の「GeForce GTX1650」のスコアを上回っていることから、グラフィックス性能は確実に向上している事が分かります。
3DMark Fire Strike
「3DMark Version 2.11.6911.0」から、DirectX 11のパフォーマンスを計測する「Fire Strike」の結果です。
Fire Strikeの種類 | スコア |
---|---|
Fire Strike | 10416 |
Fire Strike Extream | 4541 |
Fire Strike Urtra | 1979 |
上記はGTX1650Tiのみの計測結果ですが、あくまでもGPUがエントリー向けということもあり、フルHDでは快適ですが、WQHDや4Kでは少々厳しいスペックである事が分かります。
グラフィックボード | スコア |
---|---|
GTX1050 | 5912 |
GTX1060 | 11442 |
GTX1650 | 8513 |
GTX1650Ti | 10416 |
GTX1660Ti | 13494 |
RTX2060 | 14946 |
1~2世代前のエントリー及びミドルレンジのグラボと比較すると、「GeForce GTX1650 Ti」はエントリー向けの中ではかなり優秀である事が分かります。
実際に比べてみると2世代前のミドルレンジに迫るほどです。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
RTX2080 Max-Q | 117fps |
RTX2070 | 110fps |
RTX2070 Max-Q | 98fps |
RTX2060 | 98fps |
GTX1660Ti | 95fps |
GTX1650Ti | 75fps |
GTX1650 | 64fps |
※1920 x 1080 / 最高品質で測定
最高画質でも平均75.2FPSを安定してキープできるので、快適に遊べる目安である60FPSはクリアしています。
ただ、レイド戦などで高い負荷がかかる場合だと、60FPSを割り込むこと可能性は0ではありません。
「高品質 (ノートPC)」程度の画質まで落とせば平均100FPS出ますので問題ありませんが、最高画質ではややフレームレートが足りず、わずかにカクつくことがあります。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION
品質 | スコア |
---|---|
軽量品質 | 7910 |
標準品質 | 6053 |
高品質 | 4211 |
ハイスペで有名なFF15になると、最高品質では「普通」の評価だったものの、軽量品質と標準品質では「快適」との評価が出ます。
スコア的にはわりとギリギリのラインになるので、シーンによってはカクつきが目立ちます。
フォートナイト
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
GTX1660 Ti(Mobile) | 98.0 |
GTX1060(Mobile) | 84.4 |
GTX1650 Ti(Mobile) | 80.2 |
GTX1650 | 70.5 |
GTX1650(Mobile) | 68.4 |
GTX1050(Mobile) | 49.9 |
※1920 x 1080 / 最高品質で測定
前モデルよりも平均フレームレートが20%以上向上しています。
最高画質の「エピック」でも常時60FPSオーバーはクリアしますが、120Hzのなめらかな動きでプレイするのであれば、画質を下げないと少し厳しいです。
「高」画質をベースに、微調整する事を推奨します。
高リフレッシュレート対応モニターを活かすなら設定を下げることが必須です。
モンスターハンターワールド:アイスボーン
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
RTX2060 | 51fps |
GTX1660Ti | 46fps |
GTX1650Ti | 34fps |
GTX1650 | 32fps |
※1920 x 1080 / 最高品質で測定
平均60FPSには届きませんが、30fpsはキープできるので、ソロでのんびり楽しむ分には問題ないスペックになります。
オンラインのマルチプレイで周回したいのであれば、低画質にしてフレームレートを向上させた方がいいです。
PUBG
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
RTX2080 | 160fps |
RTX2080 Max-Q | 145fps |
RTX2070 | 134fps |
RTX2060 | 116fps |
GTX1660Ti | 110fps |
RTX2070 Max-Q | 107fps |
GTX1650Ti | 82fps |
GTX1650 | 69fps |
※1920 x 1080 / ウルトラで測定
GTX1650よりも10%平均フレームレートが高くなっています。
普通にプレイを楽しむなら最高画質の「ウルトラ」でも80fps以上出ますが、対戦プレイを有利に進めたいなら、フレームレートはやはり120FPSを目指したいところです。
ただ、PUBGは画質を下げてもプレイにはあまり影響しないので、割り切って画質を下げてプレイするのであれば、GTX1650Tiでプレイするのもアリかもしれません。
シャドウオブザトゥームレイダー
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
RTX2080 Max-Q | 90fps |
RTX2070 | 88fps |
RTX2070 Max-Q | 79fps |
RTX2060 | 72fps |
GTX1660Ti | 69fps |
GTX1650Ti | 50fps |
GTX1060 | 46fps |
GTX1650 | 46fps |
GTX1050Ti | 30fps |
※1920 x 1080 / 最高品質で測定
重い部類に入る本作では、フルHDでも最高設定だとギリギリ60fpsに届きません。
最低60fpsにこだわるならGTX1660Ti以上を推奨します。
ファークライ ニュードーン
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
RTX2080 Max-Q | 91fps |
RTX2070 | 84fps |
RTX2070 Max-Q | 83fps |
RTX2060 | 79fps |
GTX1660Ti | 73fps |
GTX1650Ti | 62fps |
GTX1650 | 54fps |
※1920 x 1080 / 最高品質で測定
ファークライもなかなか重い部類のゲームですが、GTX1650Tiでもギリギリ60fpsをキープできます。
バトルフィールドV
グラフィックボード | fps値 |
---|---|
RTX2080 | 126fps |
RTX2080 Max-Q | 108fps |
RTX2070 | 107fps |
RTX2060 | 88fps |
GTX1660Ti | 86fps |
GTX1650Ti | 62fps |
GTX1650 | 43fps |
BF5はギリギリ60fpsに到達できましたが、重いシーンでは多少フレームレートが落ちる場面もありました。
GTX1650Ti 性能 /GTX1650 Ti搭載のおすすめゲーミングノート
G-Tune P5-144 (G-Tune)
正式名称 | G-Tune P5-144 |
---|---|
液晶 | 15.6型 フルHDノングレア (LEDバックライト) |
重量 | 約2.01kg |
CPU | Core i7-10750H |
グラフィックス | GeForce GTX 1650 Ti |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD MVNe512GB |
価格 | 159,280円(税込) |
販売元 | G-TUNE |
G-tuneのゲーミングノートで売れ筋No1常連のP5シリーズの上位モデルで、コスパに非常に優れています。
持ち運びプレイを前提に作られているため、本体が非常に軽く、バッテリー駆動時間も約8.5時間と非常に長いです。
スペック的にはエントリークラスの立ち位置ですが、GTX1650の上位互換のグラボを積んでいるので、重めの最新ゲームでも、ほとんどのタイトルで中設定で快適にプレイできます。
※販売終了しました。
LEVEL-15FX067-i7-RLSXM(パソコン工房)
正式名称 | LEVEL-15FX067-i7-RLSXM |
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液晶 | 15.6型(非光沢カラー液晶) フルHD(1920×1080ドット) |
重量 | 約2.0kg |
CPU | Core i7-10750H |
GPU | GeForce GTX 1650 Ti |
メモリ | 8GB |
ストレージ | SSD MVNe250GB |
価格 | 114,980円(+税) |
販売元 | パソコン工房 |
ハイパフォーマンスと省スペース性に優れるNVMe M.2 SSDを搭載している一押しモデル。
コスパも優れており、GTX 1650 Ti+Core i7の組み合わせのモデルの中で一番安いです。
ライバル社の有名なGTX1650Ti搭載モデルはCPUにCore i5を採用しているのに対して、パソコン工房のモデルはCore i7搭載でGTX 1650 Tiの性能を存分に引き出せるモデルになっています。
その分、1万弱高いですが、同じグラボ搭載モデルでもスペックに余裕があります。
GF75 Thin GF75-10SCSR-001JP(MSI)
名称 | GF75 Thin GF75-10SCSR-001JP |
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モニターサイズ | 17.3インチ 120Hz |
価格 | 138,800円(税込) |
CPU | Core i7-10750H |
GPU | GeForce GTX1650 Ti Mobile |
メモリ | DDR4 16GB |
SSD | 512GB NVMeSSD |
販売元 | パソコンSHOPアーク(MSI) |
当サイトの検証で使ったモデル。
税抜154,363円とGTX1650 Ti Mobile搭載モデルとしてはやや高いです。
高い理由は、超薄型な上に、CPUがCore i7-10750H、液晶モニターが17.3インチで120Hz対応モニターとハイスペックなパーツで構成されている事が挙げられます。
ただ、グラボの性能的には120Hzモニターを活かしにくいので、実際のゲームプレイだけに絞るならここまでのパーツ構成は不要です。
GTX1650Ti搭載モデルでも「最高級品」が欲しい人向けのモデルと言えるでしょう。
Razer Blade Stealth 13(Razer)
名称 | Razer Blade Stealth 13 RZ09-03102J22-R3J1 |
---|---|
モニターサイズ | 13.3インチ 120Hz |
価格 | 238,800円(税込) |
CPU | Core i7-1065G7 |
GPU | GeForce GTX1650 Ti Mobile |
メモリ | DDR4 16GB |
SSD | 512GB NVMeSSD |
販売元 | パソコンSHOPアーク(RazerI) |
Ultrabookのもつ超薄型の携帯性と一日中持続するバッテリーパワーを備えながら、ゲーミングノートパソコンのパフォーマンスを実現した初のモデルです。
なめらかなビジュアルを表現する120Hz対応の4.9mm薄型ベゼル 13 インチ フル HD マットディスプレイを搭載、デザイン製も非常にオシャレです。
ただ、いくら薄型のUltrabookでも、20万オーバーのお値段なので実際に購入すべきかちょっと迷うところ。
モニターも13.3インチと小型であり、携帯性重視であれば選択肢に入れてもいいかもしれません。
→Razer Blade Stealth GTX1650Ti搭載モデルの詳細
GALLERIA GCL1650TGF(ドスパラ)
名称 | ガレリアGCR1650GF |
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モニターサイズ | 15.6インチ 60Hz |
価格 | 99,980円(税抜) |
CPU | Core i5-10300H |
GPU | GeForce GTX1650 Ti Mobile |
メモリ | DDR4 16GB |
SSD | 500GB NVMeSSD |
販売元 | ドスパラ |
GTX1650Tiを搭載モデルのゲーミングノートで1番有名なPCの1つ。
何といっても、税抜10万円以下で購入できる安さが魅力です。
15.6インチモニターなので持ち運びもしやすく、SSD 500GB NVMe対応で構成も十分です。
ただ、在庫切れが多く中々買えないのと、やはりCPUがCore i5なので最新ゲームに対するゲーミング性能が年々厳しくなりつつあるので、これから購入するには微妙なモデルです。
GTX1650Ti 性能 /まとめ
GeForce GTX1650 Tiは、GTX1650の強化版としてのスペックはしっかりと満たしていますが、GTX1650自体が微妙な立ち位置のグラボである為、購入を迷う人は多いかと思います。
しかし、フルHDのエントリークラスとしては非常にコスパが高いので、初めてゲーミングノートを購入する人にはおすすめできます。
最高品質の60fpsプレイにこだわらなければ、ほとんどのゲームを快適にプレイできますので、入門向けのモデルとしては選択肢に含める価値のあるグラボです。
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