グラボの高騰 /品薄はいつまで?価格が値下がり?

グラボ 高騰 /価格・品薄が改善

引用元: Wccftech

マイニング需要によるグラボ高騰が続いていましたが、2022年に入ってAMDの「Radeon」シリーズ、NVIDIAの 「GeForce」シリーズのグラフィックカードの価格が大幅に改善され、徐々に入手しやすくなっているという話が聞かれ始めました。

「Wccftech」が共有した3DCenterのレポートによると、現在の価格はまだ「希望小売価格」には程遠いのですが、数カ月単位で見ると状況は少しずつ良くなっています。

例えば、AMDの「Radeon」シリーズの希望小売価格に対する現在の平均価格は145%で、先月の163%から大幅に低下しています。

NVIDIAの「GeForce」シリーズの平均価格は157%で、先月の177%に比べ、こちらも大きく低下しています。

価格の改善だけでなく、在庫状況も改善され続けています。

特にヨーロッパではほぼ十分な在庫が確保されており、価格の問題と合わせて少しずつ以前の相場に戻っている事がうかがえます。

「Wccftech」は、今後もマイニングブームによって価格が左右される可能性があると指摘していますが、まだまだ油断はできませんが、2022年はグラボ高騰が改善する要素がある明るいニュースもあります。

グラボ高騰の改善要素①:イーサリアムが2022年中にPoS移行

グラボでマイニングできる仮想通貨でいちばん人気なイーサリアムが、2022年中にコンセンサスアルゴリズム(取引内容を記録するアルゴリズム)をPoWからPoSに移行すると発表しています。

PoWからPoSになるとなにか変わるかといいますと、イーサリアムをグラボでマイニングできなくなります

今グラボでマイニングしている人のほとんどは、イーサリアムを掘っていますが、イーサリアム以外のグラボでマイニングできる仮想通貨はありますが、利益率が低いので採算が合いません。

なのでイーサリアムがPoS移行を完了すれば、今までのようなグラボの買い占めは起こりにくくなる可能性が非常に高いです。

バカみたいに高い新品のグラボを買っても、グラボ代を回収するまでの時間が長すぎるので、グラボのマイニング需要が下がる可能性は十分にあります。

ただし、PoS移行したからといって新品のグラボの相場がすぐに下がる可能性は低いでしょう。

グラボ高騰はマイニング需要以外に半導体不足も関係しているので、生産量が増えない限り新品の値段がすぐに下がるわけではないからです。

ただし、中古のグラボの相場は下落する可能性は高いと言えるでしょう。

グラボ高騰の改善要素②:RTX4000シリーズが2022年秋に発売

NVIDIAは次世代のグラボ「RTX4000シリーズ」を今年秋に発売する予定です。

AMDも対抗して2022年度の第4四半期(2023年1月~3月)に新型グラボ「RX7000シリーズ」を予定していますので、現行のRTX3000シリーズとRX6000シリーズは型落ちになり、少なくとも今よりは値下がりするでしょう。

これには、グラボ高騰中だった2020年の12月にもRTX3060tiが発売された事でRTX2000シリーズが投げ売り状態になったという前例があります。

なので今のRTX3000シリーズを安く買いたい場合、RTX4000シリーズの発売まで待つというのも1つの手です。

ただ2020年と状況が全く同じわけではないので、RTX2000シリーズの時ほど値下がりするかは不透明です。

グラボ高騰の改善要素③:低価格のRTX3050、RX6500XTが発売

2022年1月にNVIDIAから39800円の「RTX3050」、AMDから28000円の「RX6500XT」と低価格のグラボが2つも発売されました。

この影響により、高騰していた前世代のエントリーモデルであるGTX1660Ti(RTX3050よりちょっと上の性能のグラボ)が数千円値下がりしています。

2020年以前の相場と比べるとまだ安いとは全然いえませんが、今のグラボ市場では低価格なほうです。

新発売された側の「RTX3050」と「RX6500XT」も希望価格から比べると高いのですが、値上がり幅は低くなっています。

「Geforce RTX 3050」は小売希望価格の149%増ですが、Radeonシリーズ販売されたRX 6500XTも、希望小売価格199USドルをわずか17%上回る平均販売価格となっており、値上がり幅はかなり小さいです。

「まだ高いよ」と思う人もいるかもしれませんが、2021年の5月にNVIDIAのグラフィックボードに見られた平均価格が318%という状況に比べれば、現在はだいぶ改善傾向にある事が伺えます。

グラボ 高騰 /在庫・価格相場

型番 国内定価(MSRP) 国内価格2022/03(2021/11時点) BTO価格2022/03(2021/11時点)
RTX 3090 229,800円($1,499) 275,000円~(310,000円~) 415,980円~(391,980円~)
RTX 3080 Ti 175,800円($1,199) 180,000円~(192,000円~) 325,980円~(331,980円~)
RTX 3080 109,800円($699) 135,000円~(153,000円~) 279,980円~(316,980円~)
RTX 3070 Ti 89,980円($599) 109,000円~(127,000円~) 243,880円~(225,980円~)
RTX 3070 79,980円($499) 104,000円~(110,000円~) 228,980円~(204,980円~)
RTX 3060 Ti 59,980円($399) 83,000円~(84,000円~) 177,980円~(169,800円~)
RTX 3060 49,980円($329) 71,000円~(66,000円~) 149,980円~(129,800円~)
GTX 1660 Ti 39,980円($279) 50,000円~(58,000円~) 120,980円~(125,980円~)
GTX 1660 SUPER 27,990円($229) 57,000円~(56,000円~) 138,980円~(125,980円~)
GTX 1660 32,980円($219) 40,000円~(56,000円~) -(112,979円~)
GTX 1650 SUPER 21,780円($159) -(40,000円~) -(-)
GTX 1650 21,780円($149) 26,500円~(29,000円~) 98,980円~(89,980円~)
GTX 1050 Ti 18,980円($139) 21,000円~(23,000円~) 110,280円~(-)
RX 6900 XT 142,780円($999) 170,000円~(180,000円~) 385,980円~(360,980円~)
RX 6800 XT 89,980円($649) 140,000円~(155,000円~) 330,980円~(305,980円~)
RX 6800 79,980円($579) 136,500円~(190,000円~) 286,980円~(250,980円~)
RX 6700 XT 74,980円($479) 90,000円~(110,000円~) 203,980円~(221,980円~)
RX 6600 XT 59,980円($379) 62,800円~(70,000円~) 145,980円~(145,981円~)
RX 6600 54,980円($329) 54,000円~(65,000円~) 165,980円~(137,980円~)

MSRPはメーカー小売価格で、販売時の定価に当たります。

ただ、MSRPには代理店マージンなどが含まれるので国内の定価とは微妙に差があります。

これはASK税と呼ばれていますが、高騰していなくてもいつも多少割高になる事は間違いないのですが、問題はどれだけ割高になるかです。

国内定価の差異が小さいのはRTX 3080 Ti・RTX 3060・GTX 1660 Ti・GTX 1660・GTX 1650・RX 6900 XT・RX 6700 XT・RX 6600 XT・RX 6600辺りですが、Radeon RX 6000シリーズについては価格高騰を反映した価格設定になっている側面もあります。

いずれにしても、2021年と比べるとほとんどのモデルが価格が下がっており、現在では、在庫が無くて購入が難しいグラフィックボードはGTX 1650 SUPERぐらいで、他のモデルはプレミアム価格ではありますが、お金さえ出せば購入することは可能です。

一番高騰しているGeForceのグラボ

時期により多少の差はありますが、GeForceはRTX 3080RTX 3070RTX 3060 TiRTX 3060など、コスパや電力効率に優れた人気モデルは高騰が大きく、+50%~+60%程度の価格上昇です。

最も高騰しているのはRTX 3070で、+59.5%となっていますが、RTX 3060 Tiと並び、RTX 30シリーズの中では電力効率もコスパも特に優れており、マイニング・ゲーミング用途のどちらでも需要のあるモデルです。

また、ハイエンドモデルのRTX 3080も+50.3%と非常に高いです。

実は、元値が高すぎるRTX 3080 TiやRTX 3090は多少安くてもコスパが良くないため、ハイエンドモデルの中ではコスパも電力効率も比較的悪くないRTX 3080に人気が集まり、高騰しているという事情があります。

実際にTech Timesの報告では、アメリカ中の主要小売店でRTX 3080が発売された場合、平均して2分以内に購入され、かつ再入荷の予定は立たないという状況です。

本当に最新GPUを手に入れたいのであれば、eBayで2,000ドル以上を払って購入するというのが一番確実なようです。

逆に、最も価格上昇が小さかったのは+11.8%のRTX 3080 Tiですが、希望小売価格より少し高いくらいの価格で購入することが可能です。

ただ、RTX 3080よりは4万円(+27.6%)も高い上、ゲーミング性能は3DMark Time Spy Graphicsだと1割程度しか変わらないので、コスパは悪く、在庫も余り気味で人気はないです。

一番値上がりしているAMDのグラボ

AMDのRadeonは、RX 6800 XTは+56.1%で、RX 6800は+72.1%となっており、飛び抜けて高騰していることがわかります。

どちらもハイエンドながら電力効率が非常に良く、RTX 3080を上回っていることが大きな理由であり、適正価格で買えればコスパも非常に良いです。

RX 6900 XTも劣らず電力効率は良く非常に高性能ですが、RX 6800 XTより大幅に高い割には差が小さいため、やはり予算に余裕がある人向けのグラボです。

Radeon RX 6000シリーズは、レイトレーシング性能がRTX 30に劣る弱点がありますが、RX 6800以上のハイエンドクラスなら、RTX 30には劣るけど普通に使える性能だというのも大きいかもしれません。

RX 6800とRX 6800 XTはどちらもまだ大きく高騰はしていますが、在庫は普通に見つける事ができ、「RX 6800 XT」はこれでも一番高騰してた時期に比べればだいぶ下がってはきています。

少なくとも、RTX 3080と比較して、多少のレイトレーシング性能よりも電力効率の良さを重視したい場合には選択肢に入るくらいにはなっていると言えそうです。

RX 6800はまだかなり高騰しているので、これを選ぶくらいならRX 6800 XTかRTX 3080の方が良いです。

ただ、電力効率は最新世代の中ではかなり良いので、マイニングのような大量の処理を日常的にさせたい場合にはこの価格でも選択肢に入ってくるかもしれません。(だからこそ値下がりしないのかもしれませんが)

RX 6700 XTは、競争力のある価格・性能帯ながら+35.9%となっており、GeForceの人気モデルと比べれば落ち着いているように見えますが、そもそも元値でのコスパが悪かったので、今の価格でも正直買う価値があるか迷いどころです。

RX 6700 XTより少し安価なRTX 3060 Tiと性能差があまり無い上、レイトレーシング性能に関しては負けているので、RX 6700 XTはもう少し安くならないとお買い得とまでは言えないかもしれません。

グラボ高騰による価格推移

引用元: 価格コム

ここ数年のグラボ高騰の価格推移を分析するには、2019年11月9日に発売された『GeForce GTX 1660 SUPER』が分かりやすいです。

高騰前は3万円程度で購入できたのが、2021年3月ごろから急激に価格が高騰して、現在では最安値でも2.5倍近くの7万5千円ほどまで暴騰しています。

グラフで見ると明らかにまだまだ高騰しているのが分かります。

2年前にリリースされたモデルでも高値で取引されているので、新品ともなれば入荷次第即完売というケースも珍しくはありません。

マイニングに関しては過去のモデルでも問題なく利用できてしまうため、やはり2世代前のGTX16シリーズや1世代前のRTX20シリーズの値上がりも激しい傾向がある事が見て取れます。

さらに前の世代の「NVIDIA GeForce GTX 1660 6GB」の場合だと、2019年7月は27000円程度で、2020年11月には21000円あたりまで新品価格が下がっていましたが、2021年から急激に高騰し、最大で77000円まで高騰しています。

2022年3月現在では新品価格39600円まで戻していますが、GTX 1660は1060と似たように2020年の新品価格に対して2倍近い新品価格になっているのがわかります。

中古のグラボの価格推移

引用元: 価格コム

現在では中古販売がメインとなったGeForce GTX 1060の価格推移は、2017年はほぼ50000円で推移し、2018年中旬に約2倍に高騰し、2019年から2020年にかけて新品価格が下落して、2020年3月には約20000円になっていた事が分かります。

そして現在では、中古のみが扱われ、2022年現在で中古価格が39000円なので、2020年の新品価格に対して2倍の中古価格になっているのが分かります。

なお、中古のグラボを買うのは、価格以外にもデメリットが多いです。

中古グラボのデメリット
  • 保証が短い(1週間~1か月)
  • どれだけ使われていたか不明
  • どんな使い方をされていたか不明

マイニングで24時間使われていたグラボが壊れる寸前に出品されていると考えると、保証の短さや壊れやすさを考えるとむしろ高価に感じてしまいます。

とは言っても、使い捨てる用途考えれば掘り出しものが見つかる事もあるので選択肢に入れてもいいかもしれません。

グラボが高騰している今でも、知識さえあれば10万円未満でPCを自作する事もできます。

グラボが高騰している今でも6.5万円で新品のゲーミングPCを組めることが判明【自作PC】

グラボ高騰に伴うBTOショップのゲーミングPCの相場

現在はグラボ単体の価格が異常な高騰をしているためどうしても単体で欲しい場合を除いて、BTOショップで本体ごと買うほうがコスパがいい状況です。

ただ、BTOパソコンについては、価格が落ちきっていたIntel第10世代Core iシリーズの販売が終了した影響もあるのですが、2021年と比べると全体的に価格が少しずつ上がっています。

RTX 3060 Ti搭載モデルやRTX 3060搭載モデルは特に人気ですが、価格帯的には15万円~18万円が多いです。

特にRTX 3060 Ti搭載モデルは上位モデルであるRTX 3070搭載モデルよりもコスパに優れたモデルが多いです。

GTX 1650搭載モデルなら税込10万円以下で購入できるところもありますが、ハイエンドクラスのRTX 3080搭載モデルを購入するには30万円以上の予算が必要です。

また、各BTOショップから一部のGPUが消えています。

ドスパラ 「RTX 3080」搭載のゲーミングPCも購入できる状況ですが、モデルによっては頻繁に在庫切れを起こしています。
マウスコンピューター 基本的なRTX30シリーズ搭載PCは購入可能となっていますが、3週間から4週間の出荷待ちがあるようです。全体的な値上げも行われています。
フロンティア 「RTX 3080」「RTX 3090」搭載PCをゲーミングPC販売ページから消し、「RTX 3070」搭載PCをメインに受注生産で販売する戦略に切り替えました。当然、値上げの煽りは受けています。

Amazonでもパーツショップでも事情は同じで、RTX30シリーズ高騰の余波で、RTX20シリーズやGTX16シリーズまで手に入れにくくなっているのは驚きです。

結論としては、「現状、最新GPUを正規の値段で手に入れたり、すぐに手に入れたりすることは諦めたほうがいい」ということになります。

グラボ不足が解消されたとしてもすぐに単体販売の値下げがされるわけではありませんし、在庫がだぶつくまでは値上げ価格のまま販売されることが予想されます。

価格下落は嘘?

高騰していたGPUの価格が下落に転じているのは間違いないのですが、今が買い時かどうかというと別の話になってきます。

確かに2021年のピークに比べると、NVIDIAとAMDが生産しているほぼ全てのグラフィックボードの価格が5~10%下落しており、転売屋も売りを控えたためかオークションサイトでの取引数も減少しています。

しかし、まだまだ高すぎます。

価格推移を見てくればわかるように、2019年や2020年と比べるとまだ2倍から3倍くらい高騰中です。

PCパーツは年々進化しているので、時間が経つほど最新製品に比べて性能が劣ってくるので価値が下がることを考えたら、もっと高騰していると言えるかもしれません。

つまりまだ明らかに高いのは事実なので、今すぐに買う必要がなければ、まだ買わない方がいいでしょう。

グラボ 高騰 /高騰中でも狙い目のグラボ

まだGPUの価格は全体的にみると2020年頃からまだ2~3倍くらい高いので、あえて買うならスペック控えめなモデルがおすすめです。

RTX 2060

グラフィックボードの供給不足が深刻な状況を受けて、NVIDIAは、旧モデルであるGTX 1050 Ti及びRTX 2060を販売再開させています。

これらのGPUメモリ容量が小さいグラフィックボードを敢えてNVIDIAが選んだのはマイニング用途での購入をさせない意図が見て取れます。

2022年3月時点でRTX 2060の在庫はかなり増えており、ミドルレンジ帯ではRTX 2060の高騰具合が10%台後半と小さく、実際にお得です。

後継モデルのRTX 3060が100,000円以上となっているのに対して、RTX 2060は7万円前後で買える上に、RTX 3060との性能差も小さいです。

4K、レイトレーシングなどを視野に入れるには少々頼りない性能ですが、1080pで144fpsくらいなら大体のゲームで余裕で出せる性能はあります。

電力効率は最新世代に比べると少し悪いですが、繋ぎとして新しく購入するには賢い選択肢です。

RTX 3050

直近で発売されたRTX 3050は+39.1%の高騰と人気モデルよりは若干控えめの高騰具合です。

メモリ性能も含めRTX 2060やRTX 3060に性能では劣りますし、電力効率も悪いこともあってか、思ったより人気にはなっていません。

発売当初は初回販売限定の39,800円のモデルがあり破格という扱いでしたが、さらに値下がりする可能性もあり、価格の安さとコスパだけ見れば悪くない選択肢です。

RTX 3060

2021年2月25日Ampere世代の60番台の本命として発売されたRTX 3060は、RTX 2060 SUPERよりも性能が高くレイトレーシング性能についても引き上げられており、ミドルクラスのグラフィックボードとして極めて優秀です。

マイニング性能が意図的に落とされているため、純粋なゲーマーしか手に取らないという点でも高騰中でも買いやすいグラボとして評価できます。

発売当初は「微妙な性能」「割高感がすごい」と酷評されていたRTX3060ですが、グラボが高騰してからは今ではフルHDゲーミングの定番になっています。

VRAM(グラボのメモリ)が12GBと上位のRTX3070より多いので、ビデオメモリを多く使うVR用途にも使えます。

6万円前半で買えるRX6600XTと比べると少し価格が高く感じますが、DLSS(フレームレートの底上げ機能)が使えるのでWQHDゲーミングにも強いです。

RX6500XT

RX6500XTはエントリーユーザー向けのグラボです。

最新のグラボでありながら、小売価格から+7.6%で販売価格が推移しており、かなり適正価格に近い額で購入することが可能です。

ただ、これは単純にGPU自体の性能・評価が良くないことも起因していると思われるので、超お得というわけではないので注意です。

この高騰下でも3万円で手に入る安さは魅力ですが、性能は最新世代の他GPUより大幅に低い上、更に電力効率も最新世代の中では悪く、一応レイトレーシング用のコアを持っていますが、使えると言って良いのかわからないレベルではあります。

とは言っても、1世代前のGTX1650と同じスペックは備えており、ゲームによっては20%以上も性能が高いスコアが出ます。

在庫も安定していて、Amazonでも定価で買える珍しいグラボなので、予算的に他の選択肢がない場合以外やエントリークラスでも構わないという人にはおすすめのグラボです。

GTX1660Ti

RTX3050が発売された事により、価格が落ちているのが1世代前の「GTX1660Ti」です。

価格はほとんど同じなのに単純な性能はRTX3050以上です。

ただし、RTコアとTensorコアがないのでレイトレーシングとDLSSには対応していません。

なのでDLSS対応のゲームをする予定ならRTX3050、それ以外のゲーミングであればGTX1660Tiと用途によって選ぶようにするのがおすすめです。

RX6600XT

AMDのミドルレンジ帯ではRX 6600およびRX 6600 XTが約+20%となっており、かなりお得です。

特にRX6600XTは発売直後にマイニングのために買い占められて価格が高騰していましたが、最近は6万円前半まで落ちています。

素の性能はRTX3060を余裕で打ち負かし、他のGPUと比較するとコスパは良く、電力効率も良いですし、非常に効率的なGPUです。

在庫も普通に見つける事ができますし、もっと人気が出ても良い気がするのですが、デメリットもない訳ではありません。

まず、RTX3060よりVRAM帯域幅がせまいので、WQHDや4Kなどの高解像度ゲーミングには向きません。

さらにフレームレートを底上げするDLSSが使えないので、WQHDモニターを使っている方にはおすすめできません。

逆に、DLSSに対応していないゲームを割り切ってフルHDでプレイするなら、RTX3060よりRX6600XTのほうがコスパがいいです。

このように、コスパの良さに割に人気が無いのは、高解像度やレイトレーシングなどの将来性を見据えて選択している人が多いからかもしれません。

これはRTX 2060もコスパは良いのに人気モデルにはなっていない点とも似ていますが、だからこそグラボ高騰中でも買いやすいグラボの一つであると言えます。

RTX3070Ti

実は、ハイエンドに近いRTX 3070 Tiは、+23.4%と高騰の幅は小さめで、大きく高騰中の下位モデルのRTX 3070の価格を下回るという不思議な現象が起きています。

RTX3070Tiが11万円前半~に対してRTX3070無印が12万円弱~なので、見事に性能と価格が逆転しています。

RTX 3070 TiはそもそもRTX 3070との性能差が小さいためコスパが元々良くない上に、RTX 3070よりも大幅に電力効率も悪いので、在庫も余っており人気がない印象が強いです。

しかし、最安ではないモデルを買っても、ほとんどRTX3070無印と同じ値段だと考えるとかなり狙い目です。

ただ、2021年5月にNVIDIAがRTX 3080・RTX 3070・RTX 3060 Tiにもマイニング制限を加えるということを発表、ハッシュレートを意図的に半減させる事も確定したので、他のRTX 30シリーズの価格改善が進むと、相対的にRTX 3070が安くなり、この逆転現象も無くなる可能性はあります。

あくまでも現在の状況下での狙い目のグラボと考えておきましょう。

グラボ 高騰 /2021年のグラフィックボード市場

2021年前半はビデオカード以外にも品薄状態が波及

年の前半はマイニングブームで、特にGeForce RTX 3080・GeForce RTX 3060 Ti・Radeon RX 6900 XT・Radeon RX 6800 XTなどが入手困難でした。

在庫があっても価格が跳ね上がる状況は続き、例えば、ゲーマーに人気の高いRTX 3070は発売時の価格が82,485円だったものが、2021年2月23日時点で118,572円と40%以上も値上がりていました。

パーツショップも在庫状況が厳しい状況が続き、ワンズの在庫状況を見てもRTX 3090の次はGTX 1050 Tiとなっていました。

間のモデルがすっぽりと抜けていてこれはまさに異例だと言えます。

RTX 2060やRTX 2070 SUPERなどの販売や、RTX 3060でカバーできれば2021年3月の終わりか4月には落ち着くのではないかと言われていましたが、2022年1月になっても価格は下がらず。

グラボ以外も在庫が薄くなると価格が上昇して、きついなと思うことが多かった印象です。

年間を通してみると値下がりしたのはDDR4メモリとSSDくらいしかなかったのではないでしょうか。

2021年後半はLHR版発売により在庫は潤沢するも価格は高止まり

NVIDIA/AMDの両社からミドルクラスの新製品が出た事により、年後半に在庫は潤沢になりましたが、価格は高値を維持していました。

在庫が揃っても品薄後に高騰したこともあって、一式を組む際に一段階下のグレードのものを選ぶという人も多かったようです。

また、マイニング性能を制限したLHR版の発売は話題を呼びました。

LHR版が出る前は各ショップへの問い合わせが凄くて大変だったとか、丸一日グラボしか売っていない日があったとか。

ただ、2018年1月頃にも同じようにグラフィックボードの価格が高騰していた事があり、今後も色々な要因が重なって供給不足に陥る可能性はあります。

グラボ 高騰 /供給不足の原因

需要過多に対して供給不足が起きている事がグラボ高騰の理由ですが、原因は1つではなく、複数の要因が組み合わさった事により起こっています。

RTX 3000シリーズグラボが大人気で品薄に

2020年の秋ごろに大きな期待とともにNvidiaから新シリーズ「GeForce RTX 3000シリーズ」が登場しました。

多くの人がRTX 3000シリーズを待ち望んでいたようで、実際に期待に応えるような高性能さが実現できていたということで大人気。

すぐに品薄となってしまい、この時点で供給が足りなくなりつつあり、すでに価格高騰が始まっています。

そもそも、グラフィックボードは高性能になればなるほどダイサイズが大きくなりますが、より多くのシリコンウェハー(素材)が必要になるので、製造できるグラフィックボードの数を増やしにくい商品です。

特にAmpere世代のグラフィックボードでは前世代のRTX 20シリーズより大幅に性能が引き上げられており、ダイサイズも大きくなって大量生産が難しい事からも、スムーズな供給に暗雲が立ち込めている状況でした。

新型グラボの価格高騰により、型落ち&中古グラボ市場硬直

新型のグラボが極端に高すぎたことで、型落ちグラボや中古グラボの価格を下げる必要がなくなり、古いグラボも連動して値上がりしていきました。

普通は、新型グラボの価格が型落ちグラボの価格に近いものとなれば型落ちグラボは値下げせざるを得ません。

しかし、新型グラボが型落ちグラボの価格に干渉しない程度に高価になっていると、型落ちグラボの価格を下げなくても売れます。

型落ちグラボはそこまで製造されていないので供給も薄くなることも相まって
むしろ、型落ちグラボの需要が高まり値段が高くなっていきました。

そして、型落ちグラボが安くならないことで、さらに安い市場である中古市場についても、値下げをする必要がなくなり、ドミノみたいに影響が伝わって高騰していきます。

「転売ヤー」が一気に増加

ネットショップやオークションなどでは「転売ヤー」が幅を利かせていたため、一部のサイトや店舗ではそもそもグラフィックボードの在庫すらないような異常事態が発生しました。

マイニング需要の増加と共に転売需要も増加し、一般的なゲーマーでは手出しできないようなグラボもマイナー(マイニングをする人のこと)は買ってしまうという状態でした。

  • マイナー:仮想通貨で回収できるので値上がりのダメージは軽減できる
  • 転売ヤー:値段が上がれば上がるほど得をする
  • ゲーマー:値段が上がれば上がるほど損をする

実際に私も使わなくなった「GTX1060 3GB」を2020年末にドスパラへ下取りへ出した際、なんと2万3,000円で売却できました。

2016年に発売されたモデルかつ購入時の金額は31,500円だったことから考えると如何に相場が吊り上がっていたのかが分かります。

メルカリのような市場では市場原理があまり適応されず、グラボの需要が高まったら機敏に出品者が察知して極端に値上げしたりするのでさらに不健全な市場になっていきます。

こうしてどの市場でもグラボが高くなっていきました。

マイニング需要の急増

マイニングとは簡単に説明すると、ネット上でのお金のやり取りなどの承認手続きに必要な高度な計算を「グラフィックボード」などの処理装置を用いて行ってあげる代わりに報酬としてビットコインをもらうことができるシステムです。

このマイニングの需要が急増した事もグラフィックボードの需要過多と供給不足に拍車をかけました。

ビットコインの価格推移を見ると分かるのですが、2020年の年末頃から急激に価格が上昇しています。

この時期にビットコインの価値が増大した要因としては、2020年10月19日にIMF(国際通貨基金)がデジタル通貨に関する報告書を発表し、その報告書の中でデジタル通貨の普及について容認して今後相対的にドルの影響力が弱まるかもしれないなどと指摘していたことが関係あるようです。

つまりビットコインの通貨としての安定性・信頼性がIMFによって認められつつあるため、価値が上がったということです。

ほかにも、アメリカの大統領選においてデジタル通貨容認派のバイデン氏が勝利したことなども要因になっているといわれています。

つまり、ビットコインの信頼性が高くなり、頼もしい存在になってきたため価値が上がりました。

ただ、ビットコインを誰かからもらうというよりは新たに生成するといった形になるので「掘り当てる(マイニング)」と呼ばれています。

そして、マイニングは登録すればだれでもできるのですが、グラフィックボードの性能が高ければ高いほど多くの計算ができるようになり、その分報酬も増えていきます。

そういうわけでマイニングのために新型の高性能なグラフィックボードが買い占められたわけです。

その標的となったのは、発売されたばかりの最新のグラボ、RTX 3000シリーズです。

以前、一頃マイニングが流行ったときはAMDのRX 500シリーズなんかが多用されていたのですが、ここでさらにグラフィックボードの需要が高まって余計に品薄になりました。

NVIDIAはGPU供給問題について「半導体不足よりもマイニング需要が原因」とし、ゲーマーにGPUを届けるため、販売するRTX30シリーズのGPU自体のマイニング機能を制限するなどさまざまな対策に乗り出します。

その一つとして、マイニング専用の、画面出力機構のない新たなグラボがNvidiaから製造されるようになった事は話題になりました。

実際に2021年5月には最新世代のグラボ全てにマイニング性能の規制がかかったため、最新のモデルについてはマイニングによる影響をあまり受けていません。

しかし、マイニング性能制限をかけたところで品薄はなおらないままでした。

中国の旧正月による工場の稼働停止

2020年頃から始まったグラボの供給不足のきっかけは、中国の旧正月が重なってしまった事もきっかけの一つと言われています。

グラフィックボードの製造過程において中国は重要な役割を果たしていますが、旧正月で休暇になってしまうと工場の稼働が止まってしまいます。

通常旧正月は前後7日間の大型連休で、日本人の正月と同じイメージです。

もちろん、旧正月が終われば普通は稼働再開するのですが、タイミング悪く他の要因が重なったため、今回は高騰してから価格が戻らず、そのまま高騰状態を維持した状態が続いてしまっています。

コロナ禍で、GPUに必要な半導体の生産が追い付かない

元々グラフィックボードの供給は安定しているとは言えませんでしたが、新型コロナによって半導体の生産を抑えたことによる世界的な半導体不足により、一気に供給不足に陥りました。

まず、自動車市場なども半導体不足の大きなダメージを受け、スマートフォンやノートパソコンなどの需要が爆発したことも半導体不足に拍車をかけている状況になりました。

さらに、コロナの影響で自宅にいる時間が長くなったこともあってゲーミングPCの需要が増えた事も重なります。

グラボ界隈では2021年6月にはNVIDIAのCEOから「半導体不足が品薄の直接的な原因とはなっていない」と発言があり、さほど大きなダメージは受けていないとアピールがありました。

実際に、HDDやSSDはそこまで大きな影響は受けていないのですが、在庫CPUやメモリについては半導体不足の影響を受けているため、ゲーミングPCというくくりで考えると確実に影響は受けていると考えられます。

グラボ 高騰 /いつまで続くのか

現時点でいつまでグラフィックボードの高騰が続くかははっきりしていません。

2021年より下落しているのは間違いありませんが、まだまだ高止まりしているのは事実です。

新型コロナ感染症が落ち着くまで高止まりは続く

新型コロナ感染症の第6波が来ていることもあって今後さらに厳しくなってしまう可能性もあります。

不要の外出を控えるということでゲームをする時間が増えれば需要も増えるからです。

少なくとも2022年前半は高騰が継続すると見ておいた方がいいでしょう。

TSMCが半導体を20%値上げ

2021年の8月、台湾の半導体製造会社「TSMC」が半導体を20%値上げしました。

AMDもNVIDIAもTSMCに半導体を作ってもらっているので、2022年に発売されるグラボは定価が高くなる可能性が高いです。

現在最新のNVIDIA RTX3000シリーズはサムスン製チップを使っていますが、RTX4000シリーズはTSMCの5nmプロセスを使うので、大きな影響を受けるはずです。

AMDの最新グラボ「RX6000シリーズ」もTSMC製のチップなので、TSMCが値上げをするとすべてのグラボの製造コストが上がると思っておいた方がいいでしょう。

半導体不足の解消は2022年末ごろ

NVIDIAやIntelの発表では、半導体不足が解消するのは2022年末とのこと。

各メーカーのCEOの予想も紹介します。

少なくとも2023年までは半導体不足の影響が続く

サプライチェーンの問題は2022年の終わり頃までは続く

2022年上半期はタイトだが、下半期は多少和らぐ

この半導体不足は2022年まで続く

IntelとNVIDIAのCEOは「2023年まで」と予測するのに対し、AMDの予測は「2022年下半期には多少マシになる」と少し楽観的です。

逆に言うと2022年中は半導体不足が続く可能性が高いです。

半導体不足が続けば需要と供給のバランスが安定しないので、半導体の価格も高止まりになりますね。

必然的にグラボの価格も下がらなくなります。

半導体を増産しようと思ったら専門の工場ごと建設しなければならず、投資が実るのは早くても1年後。

自動車専門調査機関のLMCオートモーティブでも「2022年には生産と在庫が回復し、2023年には通常に近づく、との見方を示している」とのことなので、「2023年に解決する」というのが現実的な見通しと言えそうです。

グラボ 高騰 /まとめ

2021年に比べると多少下落傾向が見られるグラボ市場ですが、まだまだ正規価格と比べると高騰中です。

買い時を見極めるのが難しい状況が続いていますが、そのような状況下で、RTX 2060やRTX 3050のような性能がそこそこあっても地味で人気が無かったグラボが注目を集めています。

レイトレーシング機能が微妙だったりデメリットもあるのですが、ゲーミング性能は申し分ないグラボも多いです。

最新のRTX 4000シリーズの発売を待つのもいいですが、どうしてもいますぐグラボが欲しい人は、「地味な良グラボ」の購入も検討の余地に入れてもいいかもしれません。

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